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ツーリング

モンテッロをバイクで巡る旅|ピアーヴェの森に息づく歴史と静寂

公開日:2026年2月7日
執筆者:ダイネーゼAGVジャパン編集部
ルイジ・ファソラート

Luigi Fasolato

著者

私はKTM 890 Adventureを駆る、アドベンチャーおよびオフロードバイクをこよなく愛するライダーです。FMI公認のオフロードライディングテクニックインストラクターとして、現在はMarco Polo Teamとともに、世界各地でのモーターサイクルツアーの企画・運営に専念しています。
これまで世界各地で数多くのラリーを走破し、バイクへの情熱と社会的な取り組みを結びつけてきました。On the Motorcycle with Africaという人道支援プロジェクトを立ち上げ、運営しているのもその一環です。

イタリアを半分横断しなくても、まるで別の場所に来たかのように感じられる日があります。バイクにまたがり、北東へと向かうだけでいいのです。トレヴィーゾ平野に広がるブドウ畑の海から、緑の島のように突然姿を現す、不思議でどこか謎めいた丘、モンテッロの涼しい木陰へと滑り込んでいきます。

マキシエンデューロやライトオフロードを愛する私たちにとって、モンテッロは驚きに満ちた宝庫です。穏やかなカーブ、タイヤに優しく触れるダートロード、深い静寂、そして耳を澄ませる者の内側に今も響き続ける過去があります。

一日だけど、濃密な一日 ― モンテッロはそういう場所

モンテッロでのバイクツアーは、Nervesa della Battagliaから始めます。「戦いのネルヴェーザ」というその名が、すでにこの地の空気を物語っています。ここでは戦争が塹壕を掘り、大地と記憶に今も消えない傷跡を残しました。
メインロードを走るバイクのエンジン音は穏やかですが、今日はアスファルトだけを辿る旅ではないことを、私はすでに分かっています。

軍事慰霊碑の前で、私はしばらく足を止めます。糸杉に囲まれ、静寂の中に立つその姿は、威厳があり、厳粛です。ここに来ると、必ずヘルメットを脱ぎます。敬意からくる、自然な仕草です。
1918年、泥と機関銃の中でここを戦った若者たちのことを思います。

尾根を走る ― カーブと静けさ、そして緑

ストラーダ・パノラミカ、通称モンテッロ・リッジを登っていきます。丘の稜線に沿って続くこの有名な道は、濃く、どこか神秘的な森を真っ二つに切り裂くように走っています。
交通量はなく、カーブは緩やかで、路面状況も良好。マキシエンデューロは、まるで夢の中を進むかのように軽やかです。

ここでは自然と笑顔になります。ヘアピンカーブの合間からは平野がちらりと見え、トレヴィーゾやきらめくピアーヴェ川、運が良ければ遠くにドロミテの稜線も望めます。
しかし心を打つのは景色だけではありません。樹脂の香り、湿った土と苔の匂いが、常に寄り添ってくるのです。

プレーゼとトレイル ― マキシエンデューロの王国

モンテッロには、プレーゼと呼ばれる番号付きの道が20本走っています。舗装路もあればダートもあり、草木に埋もれてほとんど見えないものもあります。ここからが本番です。
私はプレーザXVに入り、森の中へと進みます。路面は締まったダートで、ところどころに小石がある程度。難易度は高くありません。サスペンションがよく動き、タイヤはしっかりと食いつき、ヘルメットの中で私は深く息をします。
やがてタヴァラン・グランド洞窟に到着します。森の中心にぽっかりと開いたその自然洞窟は、まるで別世界への入口のようです。エンジンを切り、道端にバイクを停め、植生の中の小道を歩きます。第一次世界大戦中、イタリア兵たちがここに身を潜めていました。戦争の痕跡は、今も深く刻まれています。

岩の天井の下では、時間が止まったかのような感覚に包まれます。しばらく立ち止まり、静寂に耳を澄ませます。人の気配はなく、聞こえるのは木々のざわめき、森の息遣い、そして遠くの小さなさえずりだけです。
さらに歩みを進めると、色あせた古い標識が現れます。「Bunker Trail」。シダや木の根に隠れるように続く、あまり人の通らない小径です。

森の中に残る第一次世界大戦の遺構

ヘルメットを手に、数分歩くと、コンクリートの構造物が木々の間に姿を現し始めます。通路、銃座、地面に掘られたシェルター。
多くは半ば植物に飲み込まれていますが、その空気は今も濃く、張り詰めています。ささやき声や短い号令、泥の中を急ぐ足音、そしてこの森から決して消えることのなかった時代の残響が、聞こえてくるような気がします。

野生的で、ほとんど手つかずの自然

これもまた、モンテッロをバイクで走る魅力です。時間の外へ連れ出してくれます。都市化された平野のすぐ近くにありながら、一歩入れば別世界です。
森は生きています。ダマジカ、イノシシ、アナグマ、キツネまで姿を見せます。特にプレーザXIIからXVIにかけては、頭上で木々が閉じ、緑のトンネルのようになります。枝の間から差し込む光が変化し、まるで魔法にかかった森を走っているかのようです。
私はこうした瞬間が大好きです。バイクはゆっくり進み、心拍も落ち着き、自分が小さな存在でありながら、すべての一部であると感じられます。

食事休憩 ― 土地の本物の味

時間が進み、胃袋が空腹を訴え始めたら、森を離れてプレーザ・チェーザレ・バッティスティを下ります。モンテッロの中でも、特に印象的な道の一つです。
畑やブドウ畑、古い農家に囲まれた場所に、私がよく知る素朴な農家レストランがあります。看板もメニューもなく、あるのはポーチと木のテーブル、そして店主が笑顔で迎えてくれる前から漂ってくるバーベキューの香りだけです。

大きな桑の木の下にバイクを停め、日陰に腰を下ろします。今日のおすすめは、自家製ニョッキ。地元産の石臼挽き小麦粉を使い、溶かしバターと中庭で採れたセージだけでシンプルに味付けされています。
家庭の味、そして時間の味がする一皿です。厚切りのサラミとソプレッサ、オイルをひと垂らししたフレッシュチーズ、朝に森で採れたキノコ、薪窯のパン。そして、10月の澄んだ空気のように爽やかなプロセッコを一杯添えます。

店主もまた仲間です。ブロックタイヤと忘れられた道を愛する、バイク乗り。サスペンションの話、昔のラリーマシン、これまでの旅や、まだ形になっていない夢について語り合います。
そして最後はいつもモンテッロの話になります。ここに生きる人々のこと、本当に愛している人だけが見つけられるトレイルのこと。素朴ですが、濃密な休憩です。手と心で作られたものの味が、一日を穏やかに締めくくってくれます。

忘れられたプレーゼを巡る、最後の数キロ

午後は西へ向かい、さらに野生味の増したモンテッロの一角へ入ります。ここには人の少ないトレイルがあり、無理のないペースでイージーエンデューロを楽しむのに最適です。
路面は変化し、砂質になり、荒れ、雨に削られています。サンテウスタキオ修道院跡の近くにバイクを停めます。時間に取り残されたようなこの場所では、石が修道士や巡礼者、そして兵士たちの物語を語りかけてきます。
ヘルメットを手に、静かに遺構の中を歩きながら、何世紀も前の姿、そして第一次世界大戦の最も暗い日々に、この場所が見てきたものを想像します。

サンテウスタキオ修道院跡

やがてネルヴェーザへ戻ります。バイクは埃まみれ、頭の中は澄み切っています。
モンテッロはドロミテのように壮大ではなく、アペニン山脈のような眺望もありません。しかし、心に残る何かがあります。ゆっくり走り、簡単なダートでタイヤを汚し、歴史の息遣いを感じたい人にとって、ここは理想の場所です。
この地は語りかけてきます。耳を傾ける用意さえあれば。

モンテッロ・バイクツアー おすすめ立ち寄りスポット

  • 軍事慰霊碑
  • モンテッロ・リッジ
  • タヴァラン・グランド洞窟
  • バンカー・トレイル
  • サンテウスタキオ修道院跡
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ダイネーゼAGVジャパン編集部

ダイネーゼAGVジャパン編集部は、イタリア発のモーターサイクルウェアブランド「Dainese(ダイネーゼ)」およびヘルメットブランド「AGV(エージーブイ)」の日本正規輸入元として、製品情報・アスリートのインタビュー・ブランドの今を発信する編集チーム。 ビギナーからエキスパートまで、ライダーの安全性を最優先にした情報提供を行っています。

2026年2月7日公開
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